2012年6月4日月曜日

白洲正子著作集・読書日記


   「十一面観音巡礼こもりく泊瀬


                盛安寺-02



  Lilas

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* 野草・樹花には花咲かおまささんの著作権が付いています。

 南国奄美・沖縄は梅雨の真っ最中。ここ数日には強い台風3号が押し寄せて来るということで、準備怠りなく花の鉢やフェンスの補強、格子戸の確認etc・・をし終えました。日本の何処に居ても厄介な奴ですが、南国での出迎えは初めてなので、要らぬ神経を使っております。ちょっとした嵐でも結構キツイ風が吹くところですので、何かしら不安が心によぎります。

昨年の11月の奄美の集中豪雨被害は強烈なものでしたので、止むを得ないかと思っております。風以上に雨が怖いですね。半端な降り方ではありませんので。
さて、取り合えず準備も万端出来ましたので、盛安寺に入りたいと思います。


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                 盛安寺 十一面観音菩薩
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 盛安寺の傍に住みながら、一度も御尊顔を拝すこともなく、あろうことか兄弟寺の住職の好き嫌い、最後には小野皇草冠をつけて・・の悪口まで書いてしまって、筆者赤面の至りである。これで積年の溜飲は下がったが・・・

 お写真だけでの知識だけで、見てきたような嘘を書く訳にもいかず、面映いのではあるが・・・・この十一面観音は崇福寺という比叡山山中の当時は豪奢な佇まいのどこかの観音堂などに祀られていた仏像のようである。ご他聞にもれず、この観音も焼け出され、流転を重ねた挙句、麓の里の現在の寺に安置されたのであろう。 


 
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  近江にはとにかくこのようなお気の毒な過去を持つ仏像が多い。 しかし、信仰厚い里人のお陰で、大きく破損することもなく現在に至るのは、流石と言わざるを得ない。また、近江の寺等のどの仏像も実際に見て、余りの美術的観点から、その完成度の高さにも驚かされるのは度々である。壊れかけた観音堂に重要文化財クラスの仏像が里人お世話だけで管理されているのは、ごく当たり前である。

関東、東北、中部地方では考えられないような感じである。戦火でどれ位の素晴らしい文化財、仏像等が消失してしまったことだろう。今となっては想像も出来ない。 


 
盛安寺-01 


 盛安寺の十一面観音の像容は通常見慣れているお姿とは少し違っている。十一面神咒心経(玄奘訳)では、右手は垂下して数珠を持ち、左手には紅蓮を挿した花瓶を持つ・・・・一方、真言宗豊山派総本山・長谷寺の本尊の十一面観音像は、左手には通常通り蓮華を生けた花瓶を持っているが、右手には大錫杖を持ち、岩の上に立っているのが最大の特徴で、豊山派の多くの寺院に安置された十一面観音像はこの像容となっているため、通常の十一面観音像と区別して「長谷寺式十一面観音」と呼ばれる・・・・・

ただ、次回に訪れる長谷寺のご本尊とは明らかに違った部分がある。長谷寺や一般の十一面観音像は二臂像が圧倒的に多いが、盛安寺の像容は四臂である。これは純粋密教が空海が中国から伝来した時、十一面神咒心経(不空訳)によるものであった為に、四臂の仏像が造られた様である。その面からも貴重な仏像と言わねばなるまい。


長谷寺 十一面 

 
 長谷寺の重要文化財の十一面観音像をお借りして掲載してみた。銅像で鎌倉時代の作であると言う。像高・70.9cm 像容も素晴らしいが光背は見事なものである。このような素晴らしい仏像が今も綺麗なお姿で祀られているのは、誠に有り難い限りである。薬師寺の聖観音像とは又趣が違った、鎌倉時代の慶派の木彫の特徴を感じさせる見事な仏像である。

次回はいよいよ幾内の中央にある、初瀬に戻ることになる。桜井から近鉄大阪線に乗って長谷寺で降りる。 牡丹で有名な花の寺でもある。長い階段状の廊下の周りは一面花が咲き誇っていた。



                 牡丹 (琵琶湖の自宅)


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